東京消防庁の調査によると、近年発生した大きな被害を伴う地震が発生した場合の被害状況を分析した結果、負傷者の3〜5割の方々が屋内における家具類の転倒・落下によることが判明しました。
 また、平成19年7月の新潟県中越沖地震において、東京消防庁の行ったアンケートによると、転倒防止対策をしていたにもかかわらず家具が転倒したとの回答が複数あったそうです。自然災害の脅威は時として人の想像をはるかに越えた力がかかる場合もあるが、最近の住宅で多く使用される石膏ボード等の強度の無い壁に直接固定したため、壁そのものが壊れ家具が転倒してしまったなど、取り付けの不備があったと推測されます。

多数ある転倒防止器具の中で、主な器具についてまとめましたので参考にして下さい。











■ 主な家具の転倒防止器具 ■
器具の名称と機能 一般的形状 取付注意事項
L型金具

家具と壁を木ねじ、ボルト等によって固定するタイプ
             効果的で安価であるが、壁及び家具に強度が必要です。
木製家具用連結金具

家具の上下を連結して転倒・移動を防ぐためのもの
家具の強度がある箇所に設置する必要がある。
プレート式

家具と壁にそれぞれネジ止めした金具をプレートなどで結んだタイプ
壁及び家具に強度が必要です。
ベルト・チェーン・ワイヤー式

家具と壁にそれぞれネジで止めた金具をベルト・金属チェーン・ワイヤーなどで結んだタイプ
        壁及び家具に強度が必要です。前への転倒には強いが、左右のゆれには少し弱い。
ポール式(つっぱり棒式)

壁などにネジ固定をせず、家具と天井の間に設置する棒状のタイプ
天井に強度が必要です。強度が無い場合は器具と天井の間に当て板を渡します。
出来るだけ奥に設置する。
ストッパー式

家具の前下部にくさび状に挟み込み、家具を壁側に傾斜させるタイプ
  背の高い家具に単独で使用する場合は効果が小さい。
マット式(粘着マット式)

粘着性のゲル状のもので、家具の底面を接着させるタイプ
比較的小さいものに効果がある。多との併用で効果が増す。
ヒートン+ロープによる方法

壁にねじ込んだヒートン(端部がリング状になった木ねじ)と家電製品等を結び転倒防止に用いる
家電製品や転落物等の重量によりヒートンやロープの太さや強度を増す必要がある。